9頁にもわたる大作なので、自分史の部分は大部分割愛させていただきました。
ただ、マクロビオティックを始める人に共通のまじめで融通の利かない、そして、いい食事のはずが、逆にとらわれすぎてノイローゼになっていく様子が、皆さんにも参考になると思うので、割愛しながらも、載せさせていただきました。(恭子注)
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出産で仕事を辞めるまで、栄養士として働いていました。
結婚したときに、家族の健康を食事の面から支えたいと思い、選んだ道でした。
学んだことを活かすため、給食会社に就職しました。
パソコンの栄養ソフトと向かい合って、数値あわせをする毎日。食事を食べてくださる方一人ひとりまでにケアは及ばず、クレームに頭を悩ませ、その場しのぎの対応をし、栄養とは一体何だろう・・・と考えていました。退職するときは、もう栄養士として職に就くことはないと思いました。
栄養学を学んだ私でしたが、健康診断の結果は常に貧血で要再検査。
カロリーメイトとミルクティー、カフェオレが大好きで、朝食はそんなもので済ませていました。
妊娠してからの食事も、ドイツの栄養学に則って、動物性たんぱく質がメイン。
乳製品は朝食にヨーグルトをシリアルにかけて、牛乳は1日コップ1杯をかかさず、以前よりは魚の頻度は増えましたが、やはり、鳥肉、卵、豚肉の調理が大半を占めていました。妊娠後期に牛乳は胎児に悪影響なのでNGと聞きましたが、牛乳神話から抜けきれず、量を控えるようにしました。
生後2週間くらいで、娘の顔全体に乳幼児湿疹が現れ、半年以上、頭部に脂漏性湿疹と思われる、黄色い湿ったフケがべっとりと出続けました。
娘が2ヶ月の時に参加したヨガ教室で「粗食」の話を聞きました。
図書館で、幕内秀夫・新谷弘実・山田豊文・山西みなこ先生らの本を読みまくり、良い母乳が出る食事へ切り替えました。
主食:胚芽精米、五分搗き米
副食メイン:魚中心、豆腐、時々卵
副食小鉢:根菜煮物、切干煮、ひじき煮、などの回数が増える
味噌汁:具沢山みそ汁
デザート:果物
おやつ:主に干し芋、せんべい、パンは週1くらい。マーガリンは家から撤去。
娘はおしりの下、ひざの裏、ひじの内側、肩など、どこか常に湿疹がある状態。
母は、未精白の米を食べるようになってから、快便になりました。
(それまでは硬いころころとした便で、妊娠中はずっと便秘でした。)
この頃から些細なことで、いらいら怒りやすくなり、たまに大爆発。
同時に瞼のたるみが気になるようになり、診断を受けたところ、瞼腱下垂症と判明。
その症状は、肩こり、腰痛、頭痛、うつ症状、と多岐にわたるといわれており、私の場合は、肩こり、イライラ、落ち込み、やる気の無さなどのうつ症状を感じました。
母乳ケアをしてくれた助産師さんに食事の相談をしたところ、マクロビオティックを薦められました。しかし、この時点では、マクロビオティックまでは・・・という警戒心があり、玄米のみをたまに取り入れ、基本的には分搗き米+野菜を中心としたおかずでした。※1
娘の湿疹の原因がわからず、ずっと痒そうにしているのがたまらなくなり、診察を受けることにしました。一目見るなり、アトピーですねと言われる。軽度だったため検査はせず、薬を処方されましたが、薬を使うことに抵抗があり使用しませんでした。
やはり食事に気をつけようという気持ちが強くなり、マクロビオティックを独学で究めるぞとの意気込みで、図書館から借りた本を寺子屋方式に、ノートに書き写しました。
中美恵・奥津典子・久司道夫・山村慎一郎先生らの本を7冊ほど書き写し、桜沢一如先生の本を2冊読み、その他関連書籍や雑誌、中島デコ氏やオーガニックベースのレシピ本を参考にマクロビオティックを始めました。
〈2009年5月前半〉
・自然食品店で調味料を購入するようになる。
・奥津典子氏「本当に怖い低血糖症」を読み、本格的にマクロビオティックに心酔。
〈2009年5月後半〉
・玄米を無農薬のササニシキに替える。
・顔(顎、こめかみ周辺)にブツブツとした吹き出物がでる。
・大の便りは順調。
・夫と大喧嘩をする。子供に対する愛が私にあるのかなどと悩むこともあり、精神的にとても不健康で不安定と感じる。
◎5月末、夫の実家から同居をして欲しいとの話がある。
娘の食事について、何度お願いしても右から左で聞いてくれないことや、まだ2歳もならないうちからDVDをずっと見せ続けたりすること(TVは見ていなくても常につけっぱなし)、生活スタイルや食事に対する考え方の違いから、とても一緒には住めないと拒否反応が激しく出る。
“同居するかどうかは私次第”と義母から言われ、夫からは“私と別居しても一緒に住むから”と言い渡され、追い詰められたような気持ちになり、毎日気持ちが晴れず憂鬱でどんどん落ち込んでいく。涙が出てきたり、イライラして娘にきつくあたったり、笑えなくなっていった。
〈2009年6月〉
・野菜はなるだけオーガニックのものを使う。
・桜沢如一氏の本を参考に7号食を実践し、反動でとんカツを食べる。
懲りずに2週間後に再挑戦。今度は反動でパンを無性に食べたくなり、大食いする。
とんカツを食べた翌日は、過去を想起する夢を見て、胃が痛かった。
ずっと出ていおりものが、とんカツを食べた後の2日間とまった。※2
・公民館でやっている玄米正食サークルに参加し、アドバイスを仰ぐ。
7号食は極端すぎるからやらないこと。中庸のものを食べてバランスをとること。
玄米は土鍋ではなく、圧力鍋で炊くほうが消化吸収に良いといわれ、圧力炊きに戻す。
子供に玄米は大丈夫なのか尋ねたところ、問題ないとの返答だったので、親子で1日
3食の玄米を食べ続ける。※3
◎7月20日いつもは降りない駅で見つけた自然食品店で、恭子先生の本と出合い拝読。
・恭子先生の教室に入会の申し込みをする。
鬱病と診断され、その薬を飲んでいたので、薬を飲んでいいものか先生にご相談したところ、
とても丁寧にご返答くださり、涙が出ました。
「6の良いところと4の悪いところがあって当然、その4の部分も認めて、
出来る事は精一杯、出来ない事はごめんなさいという」というアドバイスを頂いて、
私は完璧な良い人間になろうとしていたのだなと気づきました。※4
自分の悪い部分を認められなくて苦しんでいました。それを認めたとき、心が楽になりました。
〈2009年10月〉
料理教室開始。玄米の弊害がでていると思い5分搗き米を食べていたが、1回目の教室の後から玄米食に切り替える。
・ 前半2週間【玄米+けんちん汁】
基本の食事と100回噛みを意識して食事をするが、外食が多かった。
・ 後半2週間【玄米+野菜の煮しめ】
・ 以前より甘いものを欲するようになり、頂き物の誘惑に負け、口に運ぶ回数が増える。
・ 白砂糖、粉物が多い。
・ 体重45kg ・生理周期 29日
・ 大便コロコロと硬いが毎日出るようになる。
・ 10月18日に受けた健康診断で、貧血と出る。
〈2009年11月〉
・ 先生の面談を受ける。
★ 粉物が多いとのご指摘。おかず食べは精神的に弱くなるので、とにかくご飯を。
玄米でも分搗き米でも良いので良くかんで食べること。
★ 和食中心の食事で大便の調子が良かったのなら、その時の食事に戻しても良い。
★ 果物は食べるのだったら朝食時にできればすりおろして食べる。
★ 朝食抜きが実行できない場合、朝食を少食にすること。腹一杯はNG。
起き抜けに梅生番茶を飲む。米が一杯食べたいのは内臓が元気になってきた証拠と言われる。
★ おやつは先生の本のものを手作りすること。クレープ、お好み焼き、芋、団子。
★ 主人に感謝をすること。もっと要望を聞くこと。私と同じ食事では反動がくるから、買ってきたものでいいからおかずをつけるようにし、我慢はさせない。※5
★ 鬱の人は周りがよく見えていない傾向がある。広い視野で物事を見るように。
★ 自分自身のことをきちんと整理する。
・ 体重46kg 生理周期 28日
・ 大便は〈前半〉一つが大きくなってきたがまだぶつぶつと切れる。
〈後半〉1日2回出ることも。スルッと出るようになってきた。
ご講義の中で、実践しているのに大の便りに変化がないのは良く噛んでいないせいだと聞き、意識して噛むようにする(が中々できないことも多い)。
〈2009年12月〉
【玄米+けんちん汁+ハッピーマクロのおかず】1週間に1〜2度、魚などの動物食。
・ 甘いものが欲しい。粉物(固く焼いてあるもの)が欲しい。手作りしたり、カロリーメイトを買ってしまったり、もちをたくさん食べて、体重が徐々に増えていく。
・ 同居に関して、考えないようにしているだけでは解決にならず、悶々とした日々。
ご講義の中で、問題解決の一番の早道は≪自分として一番誠実なことをすること≫と聞き、理想に副うように努力していくことも大事だと思い、同居を決意する。
・ 体重47kg 生理周期30日
・ 大便1日1回1本の良い形に。
〈2009年1月〉
・ 受講生の方から「お肌の調子が良くなってきたね」と声をかけてもらい嬉しくなる。
・ メニューの中に揚げ物が増えたので、油濾し器を購入する。
・ ウィルセラムの土瓶を購入する。
・ ・1月後半の親戚の結婚式で頂いた、引き出物の菓子やお土産を大量に食べる。
体重が48kgを越え、風が目にしみ、玉ねぎはもちろん、長ネギですら泣ける。※7
体調を整えるために、「ハッピー」の中の〈プチ断食〉に挑戦。プチ断食後1週間ほど1日2回食を実践したところ、玉ねぎは目にしみなくなり、大便が大量に出た。玄米食の効果を実感。
・ 断食後1週間を過ぎた頃から、朝食を少量食べるようになり、大便は普通の量に。
・ 友人とアレルギーっ子のための食事会を開き、先生に習った料理を作り大好評。皆で集まって味噌作りに初挑戦。麦味噌と米味噌を5kgずつ作る。恭子先生の料理教室に通い始めて活動の幅が広がり、自然食の仲間が増えました。 明るさも取り戻すことが出来ました。※6
・ 体重48kg 生理周期30日
〈2009年3月〉
・ なるだけ朝食抜きを実践するように。食べるときは軽めに。
・ 3月前半、故郷へ帰郷。ご飯物を中心に食べるようにした。
叔母に食事に連れて行ってもらったところが洋食だったが、そういう時は美味しく頂くようにした。昔
なら、食べてしまった罪悪感で落ち込んだだろうが、「○○よりマシ」という先生に教わった考え方や、体調の整え方も教えていただいたので、食に対する気持ちも軽くなった。
・ 体重が48kgを越えた辺りから、朝起きるのがだるく感じるようになり、デリケートな部分に痒みが出るようになる。食欲の制御がなかなか出来ない。
・ 運動として、夜寝る前にヨガを取り入れる。
・ 体重48.5kg 生理周期32日
前期の12回を終了して
主食をしっかり食べていない時、白砂糖の入った甘いものを沢山食べた時など、精神的に弱くなりクヨクヨとすることが分かりました。
教室に通う前は、玄米の弊害が出ていると思い込み、分搗き米を食べていました。講義の中でそれは間違いだったと分かり、体質改善のため玄米食に戻しました。ただ、100回噛むということと朝食抜きが実践できず、目に見えた効果と言うものは感じませんが、
半年前に比べると、気力も十分、明るくなった、肌の調子が良くなったと声をかけていただけるようになりました。
独学でマクロビオティックを実践していたときは、理論に凝り固まり、周りの意見を全く受け入れられ
なくなりました。アレはダメ、コレもダメと家族にも押し付け、心が窮屈でした。今は、無農薬の野菜じ
ゃなくてもいい、たまには外食で色んなものを食べたっていいと思えるようになり、本当に気持ちが軽く
楽になりました。落ち込みやすい性格で、マイナス思考は今でも変わりません。でも、「目の前のことを
精一杯、一日一日を充実させていくしかないのよ」という先生のアドバイスを思い出し、あまりクヨクヨ
と悩まず、体を動かすようにして、気が停滞しないようにコントロールする術を学びました。
以前は、感謝することが大事とわかっていても、本当に心からしたことはなかったと思います。
いつも直ぐに忘れてしまい、反省しては、また忘れ・・・。
「教室にいった日は優しいね」と主人に言われました。※8
先生の教室は、そういう大事なことを思い出させてもらうとても大切な時間でありました。
受講生のかたとの帰り道、色々な話を聞かせてもらい、沢山の元気と励ましをもらいました。
恭子から一言
最初にも書きましたが、この方に限らず、マクロビオティックをする人は、真面目な方が多く、とらわれてむしろ不健康になっていく人も多いのです。
無農薬にこだわることよりも、農薬入り(?)の野菜でも、感謝して、何を食べるかに重点をおけばいいのです。
また、病気の原因は、「食」の間違いと同時に、「考え方」の間違いもあります。
以前の食事よりまし、になったら、自分をほめましょう。
私の教室に通えるということは、仕合せです。
まず、通えるだけの健康があるのです。入院していれば、通う事はできません。病気を治したいと思って悩んで私の教室に来たのでしょうが、でも、通えるだけの健康があるのです。
それから、通えるだけの経済があるのです。電車賃、受講料などが払えるのです。
家族の協力もあるでしょう。
などなど、実は自分で気が付かないだけで、いっぱいの恵まれた仕合せがあるのです。
「感謝」の思いが自然に湧き出てくれば、いいホルモンもでます。
こころが穏やかになります。こころとからだは、連動しています。
結果的に、健康になるのです。そのコツを、皆さんに、くりかえしくりかえし、お伝えするのが私の教室です。
※1 分搗き米 + 野菜 + 時々の魚
の食事は、とても良い食事です。
ただ、「振り子の原理」の話で書いているように、今の健康を維持するにはとても良い食事ですし、ずっと、小さい頃からこの食事をしてしていたら病気になっていないはずです。が、今、病気(例えばアトピーなど)になってしまっているのでしたら、この食事では画期的には改善されません。「治す」には、一時的に厳しいマクロビオティックをすると、早く、効果が出ます。その後、この分搗き米と野菜と少々の魚、の食事にするといいです。
※2
排毒現象として、おりものが出ていたと思われます。
その排毒が止まったのでしょう。
※3
私は、子供は分搗き米がいいと、言っています。
※4
欝の方に限らず、
「善対悪」の比率は、「6対4」でよろしい
「できることは精一杯、できないことはごめんなさい」
「○○よりマシ」
この三点は、こころを明るくするマジックです。
※5
「自分だけ仕合せになりなさい」
と私はいつも皆さんに言います。自分でマクロビオティック(玄米菜食)をしようと思っている訳ではない家族には、押し付けないということです。そして、自分が健康になり活き活きと輝いてきたら、家族は、自然に同じ食べものを食べるようになります。その時ムリをして肉のご馳走を作る必要は無いのです。手抜きの買ってきたお惣菜でいいのです。これが自分だけ仕合せになるコツです。
年単位でみてください、と言います。家族は、本人が健康になれば、1年後に、自分も同じ食べものを食べたいというように変わります。
※6
自分だけ仕合せに…
健康になってくれば、自然に自信がでてきます。明るくなります。人も寄ってきます。
※7
最初は信じられないかもしれませんが、細胞が引き締って陽性になってくると、玉葱が目にしみなくなるのです。
皆さん、食事を私の教える通りにすれば、体験します。
※8
遠方に引越しが決まって、遠くなので通うのを諦めた受講生が、ご主人が「教室に行って来た日は、明るくなるので新幹線で通うと良いよ」とむしろ、勧めてくれる例がいっぱいあります。 |